ふと思いつき、駆け足で上洛し、青蓮院門跡に詣でた目的は、私が青不動に魂を入れ直してもらい、明日以降、国立小受験に臨む子どもと親に、力を吹き込むためです。2022年11月23日
ふと思いつき、駆け足で上洛し、青蓮院門跡に詣でた目的は、私が青不動に魂を入れ直してもらい、明日以降、国立小受験に臨む子どもと親に、力を吹き込むためです。
青蓮院と言えば、旧仮御所としての格式を誇り、秘蔵される不動明王画像は青不動と呼ばれ、押すに押されぬ国宝です。
一言で形容するなら、紅蓮の炎に包まれた全身を青く染めた不動明王ですね。黄不動、赤不動を従えた最高位の不動明王が青不動です。菩薩様が慈愛に満ちた表情で、衆生の心を癒すのとは正反対に、不動明王は優しく諭しても聞く耳を持たぬ衆生に、燃え上がる情熱で諭す仏様です。何しろ天上天下で衆生を睨みつけておりますから、右目と左目が天と地を向いております。おまけに牙を剥いております。そして真っ青です。相当な迫力ですね。
これがですね、実に私と重なるわけです。あまり人に言ったことはないのですが、私は青不動と志を同じくする者だと常々思っております。
先日、今年度すでに慶應幼稚舎に合格し、進学を決めた会員さんとご父母が、来年受験本番を迎える新年長さんとご父母の前で、応援のご挨拶をしてくださいましたが、その折にお父さまが、「慶応会は親も育ててくださる教室です」と仰っていました。その通りです。よくわかっていらっしゃる。
あのね、相当な優しさがなければ、父母を相手にそんな面倒な指導などしやしませんよ。誰だって煙ったい役なんてごめんです。
私はなにも偉そうにそう申しているわけではございません。12月に書店に並ぶ7作目の拙著の冒頭でも、私が失敗続きの人生を歩んでいるさまを懺悔しております。私ほど大人に叱られた子どももいないだろう、と思うほどの失敗を重ねて今日に至っております。
言わば「失敗の山の総本山の開祖」と申してもいいほどです。その私が青不動に身を借りて、危うき道をひた進む父母の首根っこを捕まえて、「そちらに進むは危うきかな」と押しとどめ、剣で指し示してより安全に進める道を教える、という役を仰せつかっている、というわけです。ほんまかいな。
いずれにしても、小学校受験というのはノウハウの塊です。いくら優秀な父母といえど、私以上に小学校受験に明るい人を私は見たことがありません。徒然草でも「先達はあらまほしきことなり」と申します。山を見ずに帰ってきちゃダメなんですよ。やはりその道のプロに頼り、道を照らしてもらいながら進む方が安全です。
そして、「この道が安全」と照らされた道から離れて歩むことは危険です。まず、親が素直でないと、子も一緒に迷子になってしまいます。
慶応会の理事長は愛に満ちた人です。噓もお世辞も言わず、本当の事しか申しません。本当の事って、大抵は身も蓋もないことなんです。人生の真実ってそういうことです。会員さんとご父母には、努力の結果が正当に認められることを私は本心から願っています。ご家庭にとって最善の結果となるように、私は知る限りの「良きこと」をお伝えします。