前々回より4週続き 再々度山岸は申しますが、私の慶応会での仕事の3番目は、夫婦の離婚阻止なんです。2023年3月8日
前々回より4週続き 再々度山岸は申しますが、私の慶応会での仕事の3番目は、夫婦の離婚阻止なんです。鴻上さんの意見は私の意見とは違いますが、世間的意見のひとつとして転載します。
【鴻上さんの答え②】(鴻上尚史のなにがなんでもほがらか人生相談より転載)原文まま
僕のアドバイスは、ビール大好きさんの願いと同じ離婚だけです。
ただし、13年後はさすがに遠すぎるでしょう。ビール大好きさんが書くように、「10年以上も同居するのかと思うと、途端に虚しさに襲われて泣きたくなって」まともな生活ができなくなると思います。
「子どもたちは夫のことが大好きです」と書かれていますが、今、息子さんは7歳と5歳ですから、まだ母の父に対する気持ちは感じられないでしょう。特に男の子はそういう傾向にあります。
僕の提案は、5年後の離婚です。息子は、12歳と10歳になります。これぐらいの年齢になれば、父と母の関係から母の「離婚への思い」を理解してくれるでしょうし、自分で自分のことをそれなりにできるようになるでしょう。
そのためには、5年後に向けて、ちゃんと計画しなければいけません。
まず「夫には悪気や悪意はこれっぽっちもない」のですから、「離婚したい」と言っても、ただ驚くだろうと予想されます。そのためには、今、ビール大好きさんは「腹が立ったときにはスマホにメモをして気持ちを落ち着かせて」いますが、そのメモが重要な役目を果たします。
腹立ちまぎれに、自分にだけ分かる言葉を書き殴るのではなく、「いつ、どこで、どんなことを夫に言われた・された」ということを克明に書くことです。それを「離婚したい」という時に、まとめて見せるのです。
それは、スムーズな離婚と共に、ちゃんとした養育費をもらうためでもあります。
そして、これからの5年間、夫にバレないように、こつこつと離婚後の生活資金をためる必要があります。願わくば、「趣味?」とまたからかわれようと、この5年間のうちに、なんらかの資格を取って、経済的安定を目指すことです。
ビール大好きさん。これが僕の提案です。ビール大好きさんが現実と自分の気持ちとの「折り合い」をつける方法です。
5年後に夫と離婚することを希望に、なんとか、今を踏ん張るのです。どうでしょうか?
以上転載終わり
さて、私の所見です。私は過去35年、会員さんのお悩みに対し、離婚を勧めたことは一度もありません。今回4回連続の冒頭で申しました通り、夫婦の離婚阻止に全力を注いでおります。他所の家庭のお悩みに踏み込む必要など、私の本来の仕事には含まれず、全くその余地などないのですが。慶応会会員のお母さまが、結婚生活を継続したい、という前提でお悩みを私に訴えているのですから、それを無下にするわけにはいきません。
ですが、私がここで持論を開帳するまでもなく、女性は自分で結論を下し、一旦下した結論を覆すことはありません(夫たち、知っているよね?)。ですから夫としては、もしも平穏に結婚生活を継続していたいと望むならば、妻が離婚モードの本格的なゾーンに突入する前に、大気圏を超えて宇宙の果てに飛び出す前までに、自らの行いを糺して言動を改める以外にないのです。
と、私は30年前から申しておりますが、「聞く耳を持たぬ夫」と、「うちは絶対に大丈夫だと不遜をかこつ夫」が『お払い箱』になっております。
実際の構図としては、ある日突然離婚を切り出された驚愕で、大気圏を突破して宇宙の藻屑になるのは、それまで妻の心に気づかなかった怠惰な夫の心なのです。私の三作目の本、「頼りにならないパパが ガラリと変わる本」をどうぞお読みください。今、夫が気づいて態度を改めれば、間に合う家庭が結構います。