先週よりつづき 安易なポピュリズムが国を亡ぼす、というのはある意味真実だと私は考えています。2023年3月22日
先週よりつづき
安易なポピュリズムが国を亡ぼす、というのはある意味真実だと私は考えています。日本という国と日本人という国民は、「恥を重んじ、同調圧力に屈する」という美徳のようなそうではないような行動規範に動かされています。
日本がバブル崩壊以降の直近30年で、世界の中での経済水準を下げた要因について、私は確信していることがあります。それは大衆が、「他人の成功を妬むこと」です。そして「ずば抜けた才能の出現を、寄ってたかって潰すこと」です。悪しき平等主義のせいでしょう。その真逆の世論が形成できれば(相当に難しいことでしょうけれど)経済の回復は可能だと思います。成功者の陰にいる弱者の生活を切り捨てないこととワンセットで。
そこで大事なのは大局を見据えて舵を切れる政治家の存在なのですが、昭和の途中から政治家の目は、世の大局ではなく政局にしか向いていないようです。
政治家に品行方正など求めないで、多少の失言の言質を問うたり糺したりすることばかりに血道をあげるのでなく、日本を良くする(明るくする)ことに血道をあげて成果を出したのであれば、それを最大の功績とする(あとは目をつぶる)、と日本国民も腹をくくらないと、日本経済も社会も快方に向かわない、と私は思いますよ。
なんだか息苦しい社会になっていませんか、あらゆる面で。ポピュリズムって、処罰断罪の方に向かうと集団リンチと同じですよ。悪いことをした誰かを叩くより、良いことをした誰かを最大限に社会的な評価をする方が、ずっと一人ひとりの個人にやる気をもたらすのではないですか?
政治家の功績は功罪相半ばならばまだ良い方ではないでしょうか。悪いこともあったかもしれないけれど、良い功績の方がずっと大きい、ということが政治家の正当な評価だと私は思います。もちろん、利権に関わって私腹を肥やすことや、わが子を後継者に据えて、政治をまるで家業のように考える政治屋がいるのであれば、選挙で淘汰すればいいだけですから。
それができないなら、ただ単に大衆の民度が低いだけで、政治が悪いわけでもなんでもなく、国民が愚衆だからという根本理由に帰結するだけです。それなら政治家と一緒に国民も集団自決です。でも日本人って、日本の大衆って、そんな愚衆ですか? 私は、日本人は世界に冠たる優秀な国民だと信じて疑わない者なのですが。日本人は優秀ではないですか?
イエール大学の助教である成田悠輔氏が「高齢者の集団自決が必要」という文言は、その言葉ばかりが抽出されたことにより多くの誤解を受けています。言い直すならば、高齢者は、その実務能力が後任より劣る場合は速やかに後進に道を譲れ、ということです。至極まっとうな意見で、それに異を唱える人はいないでしょう。社会に向けて過激な発言をする人は、昔から自らが火の粉を被る目に遭ってきています。
イエス・キリストはその最たるもので、その言動により自らが殉死しています。ごく直近でも宮台真司氏が暴漢に襲われましたし、安倍元首相の暗殺は同列にはできませんが恨みを買った模様です。私が子どもの頃、ジョン・レノンが(私は同じ誕生日なので少し感情移入があります)ビートルズが栄光の道を歩み始めたころ、若気の至りで「ビートルズはイエスを超えた」と発言しバッシングを受けたことを鮮明に覚えています。直接の関係はないにしろ、彼は40歳の若さで暴漢に命を奪われています。
かく言う私は、会員ご父母に耳の痛い直言をするものです。別に私が偉ぶっているわけではありません。ご父母に、より良い子育てをすることが、志望校への合格に近づくことを、私は先輩の会員ご父母より伝授されているからです。
さりとて、「直言居士は嫌われる」というのは私が小学生の時、慶応会のオリジナル漢字博士教室のテキストで覚えた例文です。つづき終わり