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慶應義塾ニューヨーク学院 見学紀行②2023年5月17日

 慶應義塾ニューヨーク学院 見学紀行②
 N.Y.と聞くとすぐに目に浮かぶのは、やはりマンハッタンの街並みでしょうか。最初に港湾地域として発展した南の方のロウアーマンハッタンは、それこそディズニーシーのアメリカンウォーターフロントの様相ですが、(私はこの界隈が好きです)ミッドタウンより北は、南北を走るアヴェニューと東西を走るストリートとが交差し、碁盤の目のような街並みには垂直に切り立った高層ビルが立ち並ぶ、N.Y.のイメージ通りの光景です。

 マンハッタンを北に進むと、西部にはコロンビア大学のキャンパスがあります。その辺りから黒人やヒスパニックの住民が増えて来るブロンクスをさらに北へ車で走ること30分。郊外の道へ出て10分も走ると、もうウエストチェスター郡の森の中です。ニューヨークの北40㎞にあるこの辺りは高級住宅地で、門から家まで数分かかる豪邸も点在するようです。
 慶應義塾ニューヨーク学院は森を抜けた丘の上にあります。おとぎの国のような環境です。周りにはなにもなく、ただひたすら森があり、勉強とスポーツをすること以外に何もない、という親としては安心、わが子からしたら地獄の特訓が続くような、願ってもない教育環境です。

 それでも昨年、学院から徒歩でも行かれる距離にWegman’sという綺麗な大型スーパーができ、フードコートで食事も楽しめるようです。またはWhite Plainsという、車で10分ほどの小ぎれいで品の良い郊外都市に、友だち数人でUber Taxiを手配して出かけるようです。いずれにしても土曜の授業が終わった後や日曜に限られますが。バレリーナだった娘の体重が3か月で10㎏も増えた原因に加担しているのは、週末の小さな楽しみと、買いためたおやつでしょうね。

 慶應ニューヨーク学院での授業は、国語以外はすべて英語で行われます。以前は寮の自室に入るまでは生徒同士も日本語禁止だったそうです。
 そもそも在校生徒の80%は帰国子弟かインターナショナルスクール出身ですし、親の海外赴任に数年間帯同した子どもを含めると、ほとんどが海外の学校に通った経歴のある子たちです。純ジャパニーズの生徒も数人いますが、多くの子が小学生の頃から夏休みは1,2か月、英語圏のサマースクールに参加していたという経験を積んできています。
 正直申しますと、それらの経験がほぼまったくない純ジャパの生徒は私の娘以外にほとんど見当たらず、娘も入学当初は本人の弁を借りると「なにがなんだかわからない(泣)置いて行かれないようにがんばる」と、休み時間に廊下で一人涙を流していたと、寮のハウスマスターの先生から報告がありました(とても愛情深い女性の先生です)。

 授業に関しては、特に英語力が不足しているせいですが、寮もルーミーと二人の共同生活ですし、寮の食事が口に合わないとかなんやかやと、今までいかに自分が甘やかされてきたかを身に沁みて感じる絶好の機会であったことは間違いありません。家でお手伝いをしてきたと言っても、しょせんは実家の中でですからね。
 何事も経験することが大事。ありがたく思ってがんばることですね。親も見守るだけですが、「かわいい子には旅をさせろ」とはよく言ったものです。
 どうやら友だち関係が良好に結べるようになったおかげで、慣れない生活も克服できたようです。なにごとも、克服するまでは大変ですよね。つづく

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