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慶應義塾ニューヨーク学院 見学紀行③2023年5月24日

 慶應義塾ニューヨーク学院 見学紀行③
 幸いニューヨーク学院の親同士の懇親会は活発で、オープンマインドなつき合いがあるので多くの情報を持ち寄るのですが、(慶應は伝統的に、学校の運営は学校に任せてほしいという考えなので、PTAではなくPAです)わが子に海外で教育の機会を与えようと希望するなら、それ以前に、外国語の勉強はもちろんですが、生活面でのプチ体験をいろいろとさせることも必要でした。
 逆に言うならば、先々わが子が留学する可能性を少しでも考えるならば、(慶應に限らず、世界中に現地の公立校もあります)小学生から段階を踏んでいく、事前の作戦が必要だということです。
 私は準備の実務において、つまり何をいつ、どのように準備していくのか、ということに関して情報を得る積極性に欠け、まったく不勉強でした。

 慶應ニューヨーク学院は日本の中学3年から高校3年に相当します。入学年度は中学3年生(全体の約30%)の9学年からありますが、約70%は高校1年生の10学年から入学します。
 9学年入学(中3入学)のためには日本の中学2年生で入学試験を受けます。中2の秋、冬、春と3回の受験日が設定されています。準備が整い次第受けることができます。早ければ中2の12月に合格し、翌年の9月に入学となります。不合格の時は再挑戦することもできます。
 10学年で入学するには中学3の秋、冬、春に入学試験があります。同様に3回の受験チャンスがあります。
 そしてさらに、日本の高校1年に在学している生徒にも10学年入学のチャンスがあります。中3生と一緒に受けるのですが、その場合、合格してニューヨーク学院に入学する場合は高校1年の過程を再履修するようになります。仮面浪人を1年するのと同じ感じですね。

 それぞれ、日本の公立校に通っている場合はニューヨーク学院を受験する時に特に問題は生じませんが、私立の付属校に通っている場合は、学校を中退して受験する必要が生じることもあるので、先々ニューヨーク学院を目指したい希望があるならば、進学する中学、高校の規定を調べて、進学する学校を選択する必要も生じるかもしれません。

 日本での準備は、具体的には学校での成績を整えること(内申書です)、生徒会などの活動歴、また長く続けてきた活動(お稽古、スポーツ、ボランティアなどを含め)、さらに面接時に自己アピールをするプレゼンテーション力、英語、日本語で書くエッセイの文章力、などアメリカの大学進学時に求められる内容に近いものです。英数国の学科試験もあります。
 日本の大学受験におけるAO入試にも似ています。ただそれを中3で受験するには、さかのぼって中2までに、活動面で結構ハードルの高い準備をしておく必要があります。高校受験の場合は、日本の高校と、留学する高校の受験準備を同時にするというのは相当に困難だと思います。
 別の言い方をすると、入試の一発勝負で、本番には弱いけれど、コツコツ積み重ねることが得意な子にとっては有利かもしれません。

 ですから、留学で志望する学校に合格するためには、何年かかけて準備をする、という全体の作戦を知っていないと、なんです。急にわが子が目覚めて「留学したい!」と決意が固まっても、それまでに充実した生活を意識的に送ってこないと難しいのですね。
 私がこの通信で告知するのは、小学生のご父母の皆さんに早くから知っていただくためです。
 慶応会の会員さんにも、小3になった春休みに一人で! オーストラリアの現地校に行って語学研修してきた子もいますよ(女の子なんですよ、さすが。男の子のママ、手放す勇気の準備から始めましょう。必ずママの元に戻ってくるんだからだいじょうぶ!)。つづく

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