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慶應義塾ニューヨーク学院 見学紀行④2023年5月31日

 慶應義塾ニューヨーク学院 見学紀行➃
 拙著でも触れておりますが、中学3年から高校2年までの間に、学校の交換留学の制度を利用して、1年間海外で学ぶことはとても有意義だと私は考えています。何より親元を離れて生活することで多くのことに気づくことに意義があります。そして自分自身が外的刺激で強く揺さぶられ、さまざまに抱え込んだ「余分」を削ぎ落とすことで、自分の芯を見つけるきっかけになるかもしれません。この後大学で何を学ぶかを考える機会にもなるでしょう。交換留学ならば、元の学校の同級生と一緒に卒業できますし。

 留学の効能として、外国語力の上達は目に見えてわかることですが、それ以上に母国のことを何も知らない自分に気づくきっかけとなります。そして母国のことを学び直すことで、日本という国の素晴らしさ、住みやすさ、日本人の持つ文化や美徳や特性や、その他多くの、日本に居たままでは気づくことができなかった、日本人に生まれたことの幸せを実感できると思います。感謝が学べるはずです。
 その経験をした上で、自分がどういう将来を手に入れたいと望むのか、人生の充実を獲得する術をさまざまに挑戦して獲得していく良い機会になります。
 大学生になってから春や夏に短期留学することでも効果はあります。しかし私の少ない経験から考察すると、20歳を過ぎて留学するのと16,7歳でその経験をするのとでは、身体と脳に刻む刺激の深さが違い、したがって言語の定着度も違うと思います。早い方が効果が高いと。専門的な学問を深めるための留学であれば、修士や博士の段階になると思いますが。
 時期が早すぎるとアイデンティティの問題が別に生じますので、親に帯同するのでなければ、思春期以降の留学がいいように思います。

 高校から留学する準備を考えると、入学後に英語の授業について行かれる英語力が高く求められますが、それに関しては日本でも準備は十分可能です。目安としては小学生の間に英検3級か準2級、中2修了までに2級ぐらいでしょうか。インターナショナルスクールに通う子は、会話は自在でも、読み書きや文法力はそれほど高度でない子も少なくないので、英検準1級や1級レベルの会話力を持つ子でもニューヨーク学院に不合格だった子もいます。
 前任学院長はイギリス人で、英国のプレップスクールの校長でもあった人なので、学院卒業後は慶應義塾大学に進学するだけでなく、全世界の大学に進学できるように、本格的にアカデミックな英語教育を実施しておりました。

 ちなみにNY学院の卒業生は全員が慶應義塾大学へ推薦されます。慶應義塾高校、志木高、女子高、SFC高校部と同様です。※一定以上の成績を収めれば、です。中学も高校も成績を収めないと留年がありますし、同じ学年を2度留年すると放っぽりとなります。くわばらくわばら・・・
 現学院長の巽先生は、生徒や父母に懇切丁寧に接してくださる先生です。カリキュラムや教科内容などはHPなどで知ることもできますし、生徒たちのさまざまな活動はインスタグラムにもアップされています。三田キャンパスでも7月に説明会がありますので、慶應義塾のHPから最新の情報を得るといいと思います。国内と国外の学校での学びの違いを知り、それぞれの長所短所を比較検討することもできます。
 また毎年4月に現地で毎年開かれるオープンスクールがあります。実際にニューヨークのキャンパスに行けば、学院長先生始め全職員や委員の生徒たちがあたたかに迎えてくれますので、学校生活を実感することができます。その経験は、勉強すること自体の動機を強めるきっかけになるかもしれません。英語の勉強が、無味乾燥な受験勉強のためではなく、将来の選択の幅を広げることを実感できるでしょう。
 費用対効果のことはまた別の問題です。慶應に限らず、留学する可能性を考えたら、世界中に現地の公立校もありますから。

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