小学校受験の準備を考える②2023年6月14日
小学校受験の準備を考える②
幼児期の子育てがうまく行かない時に非常によく起きがちなことは、その子なりに着実に知力が伸びているけれども、親がわが子の成長を待てない、ということがあります。特に、ゆっくり生育するタイプの子の時ですね。
顕著な例はわが子が早生まれの時です。早生まれであることをおもんばかり、親心として生活面のことなど、なにかとわが子の自立への準備が遅れがちです。
にもかかわらず受験を意識するような時期になり、親の願いとして雙葉や白百合、暁星などが第一志望だと固執すると、さらに困った状況になります。なぜならそれらの小学校はペーパー知育の積み重ねが重要だからです。
慶応会では直近でも、3月生まれで白百合小と慶應横浜初等部に合格した子もいます。しかしそういった家庭は受験の準備も早かったです。ペーパー知育を早くから自宅で行う、ということではありません。生活面でわが子が早くから自立できるように、親が丁寧にお手伝いのスキルを教えたり、戸外での運動をお父さんが担ってわが子の持久力を伸ばしたり体幹を鍛えたりして学ぶ基礎を作る、という準備です。家庭生活の準備が整っていれば、その後のペーパー知育を伸ばすのは比較的短時間で伸びるものです。
ですからまずは家庭生活を充実させることです。自立の基礎ですね。
次に、小学校受験のプロから正直なことを申せば、「うちの子は早生まれだから受験準備はまだ早い」と考える親御さんには、その判断でだいじょうぶですか? と問いたいです。なぜなら月齢考慮のなされない小学校を本気で志望するならば、4月、5月、6月生まれの子と、早生まれのわが子が対等に勝負できるように、早い時期から生活を整え始めることが必要となってくるからです。同時にスタートしたら、その時点の成育月齢で半年、1年遅れていますから。吸収力の差より、学ぶ機会の差を考えた方が良いです。
父母が子育てで大事な「家庭での準備」を怠っておいてわが子にペーパーの詰め込みをしても、頭脳が消化不良を起こしてしまいますよ。
と、こういう厳しく聞こえることを申す私ですが、大人になってから本当の事を言ってくれる人、時に叱ってくれる人が、あなたにはいらっしゃいます?
私はまったく不完全な人間で、人さまに偉そうなことを言えるような人物ではないのですが、小学校受験と幼児期の子育てで何が大事か、ということにはベストセラーの本が書けるほど深い内容をお伝えすることができます。それは慶応会の先輩ご父母が、私に知恵と経験を授けてくれたおかげなんです。私は後輩のご父母に知恵と経験を継承する努力をすることで、ご恩をお返ししたいと願っております。
まあね、なにも生活習慣を正しくしたり、わが子にお手伝いをさせたりしなくても、早慶や筑波や国立に合格している子も多くいますけれどね。
でも、慶応会で育つ子ほど、お父さんやお母さんが大好きで、学ぶことが楽しくて、遊びも活発で、ケジメとメリハリがある輝く子は、そうはいないと思いますけれどね。慶応会小学部で今も学んでいる子どもたちを見れば一目瞭然ですよ。こういうわが子に育ってくれたらさぞ幸せだろうと、親御さんが思える子たちばかりですからね。