餅は餅屋② 私は海を見ると泳がずにはいられませんし、川や渓谷に行くとジャブジャブと足を浸からせて歩かずにいられません。2023年10月11日
餅は餅屋②
私は海を見ると泳がずにはいられませんし、川や渓谷に行くとジャブジャブと足を浸からせて歩かずにいられません。沢登り、というジャンルがあることをスポーツショップで聞きました。沢歩きとか沢登りというスポーツは、なんと日本にしかないそうです。外国で沢登りや、沢歩きをする、というジャンルの楽しみがないそうです。これにはびっくり。なぜかというと、日本のように狭い渓流がそもそも海外には少ないという自然環境のせいのようですね。
私は15年以上前に、岩伝いに渓流を歩く専用のシューズを欲していたのですが、私の探し方が悪かったようで、その頃は釣り用の地下足袋しか製品として存在しなかったようです。底がゴム張りで凹凸があまりない地下足袋です。したがってスポーツショップでの扱いがありません。釣具店ですよ。
今でも沢登り専用とする靴はほとんどが国産ブランドのようです。名だたるトレッキングブーツを製品として出している海外ブランドが、沢登り用に特化した靴をほとんど製品として持っていないのです。
沢歩きをする人は知っていると思いますが、普通のトレッキングシューズや登山靴で沢や岩場は歩けません。滑るからです。携帯の電波も届かない山の谷間で(高尾山ですら登山路に一歩足を踏み入れると電波が届きません)、足を滑らせて岩に頭を打ち付けたり足を骨折したりしたらどうなります? 一人なら死にますよ。ですからね、それ用の靴が絶対に必要なんです。
私はそのような危ない目に何度か遭ってから、安全を確保できる靴を入手しに、キャンプや山登りなどを専門とするスポーツショップに出向きました。その選択は間違っていないでしょ? 山の専門店ですから。
そして、川を歩く時の靴が欲しい旨をショップの担当者に伝えました。要するに「濡れた岩」「苔が生えたヌルヌルした路面」「防水性の高さ」とか川沿いを歩くときや沢を渡るときに必要な機能を伝えたのですが。
担当者は首を傾げ、同僚とも相談をしていました。私はこの辺で、「あれ? 即答できないのか?」という疑問を持ちました。なにしろここは山登りの専門店であり、担当者は山登りについては私よりはるかに多くの知識と経験を持つ人であるはずですから。私は今、専門家が何人かで話し合って最適解を導こうとしている、という点に信頼を置くことにしました。
そしてこれがお勧めです、というごつい靴を買い求め、週末に高尾の浅川に足を踏み入れ岩に登ったのです。すると効果てきめん、ではなく、一発で私はぬめりに足を取られ、見事に体のバランスを崩してしまいました。水没です。
体ごと。頭に来ました。靴も返品しようかと思いました。でも私、とても優しいんです。見かけ通りに。ですからあの時、鳩首会談をしてくれたショップの担当者に恥をかかせるのは忍びないと思い、靴はそのままお蔵入りとなりました。
実は彼らは、山歩きや山登りの専門家ではあったのですが、沢歩きの専門家ではなかった、ということです。私は間違えた人選をしていたのですね。私の責任です。
と、潔く言ったにも関わらず責任逃れをするわけではありませんが、あの時ショップのスタッフは、わからないことや専門外のことは正直に客に伝えるべきであったとは思います。私は知らないことを知らないと言うのは恥と思いません。知らないくせに知ったかぶりで答える方が不誠実だと考えています。
ですから私は専門の子育てや小学校受験のことについても、データを持っていないことや、各学校の内部事情や、その知らないこと、責任を持てないことを尋ねられたら、正直に「知りません」と伝えますし、「その件は学校に問い合わせてください」と言いますし、「それに関するデータは持っていないので、断言することができません」と話します。それが、私がご父母に伝える誠実さです。
さて沢登り専用の靴はどういうものが正解か? 実はタフそうに見えて、靴底がゴツゴツしたゴム製のものはダメなんです。底は、フエルト製のものが最適だったのです。これなら滑らない。でもその靴で山歩きはできません。あくまで沢歩き用なので、沢で履き替えることが必要です。
みなさん、見掛け倒しの専門家に騙されないでくださいね。特に小学校受験には、デマが多いですよ。デマに惑わされて、受験に滑らないでね。