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理事長通信

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老人の高額医療の保険負担について。家計というものは予算の割り振りで運営されるものですね。2023年12月13日

 老人の高額医療の保険負担について。家計というものは予算の割り振りで運営されるものですね。どの家庭でも一緒。大事な序列ごとに定額が配分されます。たとえば家賃やローン返済など、ある程度定額な予算は決定済みであるでしょうし、レジャーや趣味に充てるものは変動するでしょう。いずれにしても大事な序列、というのは大事ですね。

 さて、私も老境に入りその当事者の一員である自覚の元に発言をしますが、今現在の医療費の保険負担で、老人にかかる費用が膨大である事実に呆然とします。
 お年寄り、大事ですよね。過去の日本を形作ってくださった功労を考えれば、手厚い医療で老後の健康を保証するのは当たり前のことですね。
 ですが私、目撃しております。初老の(ハンサムなイケオジですが)開業医の先生の元へ、なんの用もない(失礼)老婦人が毎日診療にやって来ては鼻から吸入をしているのを。先生に会いに来るためだけに保険料が使われているわけです。老婦人のデート代が税金で賄われております。ほぼこれに匹敵するような状況って、相当数実在しませんか? ほとんど用のない老人が医院の待合室を占めている光景を目にしませんか?

 そして聞くところによると、90歳を超えた高齢者の病気の治療にも保険適用が認められた先進医療にかかる負担が1000万円を超える、ということがままあると。
 老人は労わらなければなりません。私だって満身創痍、特に会員ご父母のケアのため、メンタルがやられがちでございます。そうは言っても、私は80歳を超えて、その時に重篤な病におかされたとしても、そんなに大がかりな治療を受ける気にはならないと思います。

 ある種の疾病に対して新たに開発された先進医療は、その後の医療の発展を築く新たな礎となるでしょう。そして医療とはいえ、製薬会社は国営企業ではありませんので当然ビジネスとして、新薬開発に掛けた先行投資分を回収しなければなりませんし、企業として利益を見込んだ薬代の価格設定をしなければなりません。ですからたとえばがん治癒に新たな可能性を見出されたオプジーボは、その治療費や薬代に年間1000万円から数千万円かかると聞いております。当初は全額が患者負担となるため、先進医療費をどこまでカバーしてくれるのかつまびらかではありませんが、自己加入した保険が面倒を見てくれるならば先進医療も受けやすいかもしれません。やがて健康保険が適用されるようになったら、その治療を受けることで助かる命が増えるでしょう。誠に喜ばしいことです。
 しかし、しかしですよ、それを80代90代の老人に国が保険適応するのはどうでしょうか? ある線で引く見切りは必要ありませんか? それは優性思想だとの批判を覚悟して言うならば、90代の老人って、健康な人でも明日にも突然のお迎えが来ても不思議ではない人なのですから、その老人がジタバタと先進医療を受けます、しかも高額医療費は納税者の皆さんお願いしますって、何だよ! そんな国費があるならば、小中高生の未来に託した投資に回した方が絶対にいいと思います。
 給食費を払うことがままならない親を持つ子にとって充実した給食がどれほど子どもの心身を満たすかわかりません。とまた炎上ネタを提供したつもりはないのですが。

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