新年あけましておめでとうございます。皆さまにとってご多幸な年となることをお祈りします。2024年1月10日
新年あけましておめでとうございます。皆さまにとってご多幸な年となることをお祈りします。
日本を見渡せば新年早々より災害が起き、多くの苦しむ人がいます。世界を見渡せば未だ止まぬ戦禍で明日をも知れぬ命の灯を灯す人もいます。苦境にいる人々の鎮魂を願い祈るとともに、自分にできることを考え実行することが、災難の外にいる人にできることだろうかと思います。
正月ですので、人生100歳時代のおめでたいお話をご披露いたします。
最近よく思い出すのがありし日の父の姿です。まさか自分が老境に入る日が来るなど思いもよらなかった私ですが、理事長室で仕事机に向かい、一心不乱に書き物と向き合う父の姿をよく思い出します。穏やかで静かで誠実な人でした。同時に明るく前向きでパッション溢れる人でした。
今の自分の年の時、父はこうであったなとその姿を思い返します。私は当時父が孤独に見えていたのですが、いやいやそんなことはなかったな、慶応会の教職員や会員の皆さんに囲まれて、結構幸せに暮らしていたのだなと今は理解できます。
その父の親友とも呼べる人がおりまして。父は人の悪口を一切口にしなかったのですが、その人に関してはいつもブラックユーモアな口調で評伝をたっぷりと語るのでした。
その人とは私の小学校1年の時の同級生の母親です。その人は後にシナリオライターとして花を咲かせますが、経歴としては芸大で声楽を学んだ人です。
父は一足先に劇作家を目指して頓挫した人でしたので、テレビのシナリオを書くその人を、品良くからかっておりました。時おりわが家を訪れるその人と対面すると、父はものすごくわざとらしく姿勢を正し、「これはこれは劇作家の大先生、ようこそお越しくださいました」と声を発します。その人は笑いながら父に「本当に嘘つきで空々しい方ですこと」と言い、父に「ウソラ」とあだなをつけました。
なにしろ父が本心から親しくつき合った親族以外の人はその人を置いて他になく、真に親友であったのだな、と思います。次回へつづく
※私、新年を機に、改善を要すると自覚する点を実行します。模試の時に会員ご父母を前に行う父母講座も通信も、話が長くなっております。短くします。