一回飛ばして前回よりつづき2024年2月7日
一回飛ばして前回よりつづき
97歳の老獪な創作者が93歳の作家魂を揺り動かし、再度テレビ番組を、それも連続ドラマを作るというのですから、本当にただ事ではありません。
この話のポイントは、かつてテレビ業界に足跡を残し、彼女たちなりに栄華を極めた二人のクリエーターが、齢90を越えてなお制作意欲の炎をたぎらせたところにあります。
しかもそのきっかけは、97歳が93歳の心に、創作する喜びを呼び覚まさせたことです。その気にさせるきっかけを作ったことがすべてですね。もちろんプロデューサー本人が、「また作りたい」という意欲に突き動かされたからではありますが。
さてこの話、一体どこにつながるのでしょうか? 最初にプロデューサーがシナリオライターに、「また二人でドラマを作らない?」と話を持ち掛けていたらどうだったでしょう。ましてや「あなた、またシナリオ書いて。」だったらどうだったでしょう?
「人は理屈や理論で動くものではない。情により動かされるものだ」という言葉があります。議論の中で、一方の正当性が他方の論理的な整合性を越えて論破したところで、他方の同意が得られるものではありません。議論の技を磨くよりも、どう話せば相手の心が動くのかを考えて実行する方が、どうやら成功率は高いようです。
そんなことは売れ残りのビジネス書にも書いてありそうなことですが、知ってはいても実行することは難しいですよね。
名プロデューサーは、かつての作品をライターに見直させて、自ら行動を起こしたくなるように仕向けた、というわけです。なるほど、プロデューサーとはそういう仕事ですものね。
そしてこの話は本題に移ります。私は常にご父母に申していますが、「親が子に『勉強しなさい』と言ったら負け」なんです。
つまり、わが子が自ら勉強(走り込みでもお手伝いでもなんでも同じです)をしたくなるようにするには、どうすればいいのか?
もう親の永遠のテーマですね。わが子の心に灯を灯し、ヤル気を焚きつけるにはどういった言葉をかければいいのか。どのように親が行動すればいいのか。などなど、などなどです。たった一つの答えが存在するわけではありません。そしてどの子にも効く魔法の言葉があるわけでもありません。
それを見つけるのが親の役目、なんですね。一緒に楽しむ、とかね。結局は励ます以外にはないと思います、わが子のがんばりを。わが子の味方になってやる。わが子を信じて応援する。それができる親になりたいですね。