前回よりつづき2024年5月8日
前回よりつづき
私も年齢が上がり、正直数年前までは、小学校受験を真剣に考える母親父親ならば、(会員ご父母であるならばなおのこと)99%は賛同してくれるであろう内容の話も、2024年現在に至っては、10%の父母には首をかしげられて納得しかねる状況、といった変化を感じ取っています。
もっと正直に言うならば、「男の子は真の優しさを身につけなければ生きて行かれないぞ!真の優しさって強さのことだ。体の強さ、知恵の高さ、相手を思う気持ちの深さ、そういったいろいろな面での強さがないと、きみが結婚したいと思うような女の子は振り向いてくれないんだぞ!」とか鼓舞するわけですよ。年長さんの男の子たちに向かって。ご父母にも言います。
その表現の中には「男たるもの」なんて言葉も出てきます。「はっ?男が足りませんか?」じゃなくて!
私の発言をいちいち切り取ってあげつらったあかつきには、コンプライアンスに引っかかりまくりの表現が山ほどあることでしょう。
そういう私の発言や言動が、それこそ時代に合わない望ましくない表現であり、私の周囲がそれを望まない社会状況となったなら、私は即刻慶応会理事長職を辞し、庵を結んで気楽に過ごします。戦国の世を厭世して詩仙堂を開いた武将、石川丈山のような心境です。
これだけ私を頼る人の助けになりたいと望んでいながら、私の言動が時代にそぐわないようになったのなら、私の時代は終わり。あとはやわやわの表現で、言葉を絹布で包んだ穏やかな上人のような若い世代の啓蒙者に道を譲ります。
ただし、一人でも私の微力を頼りにしてくださる方がいらっしゃるならば、その方のために尽力しようとは思いますが。
日米の野球界で選手として一時代を築き、現役を引いたイチロー氏が、「今の時代、高校野球の指導者も指導に苦慮している。力のない子どもやセンスのない子どもも、指導者が子どもに対して責任を持って、時には強い言葉や態度で鍛えてあげれば、能力を中程度までには引っ張り上げてあげることができたものの、今はそれができない(親や周りの批判が強い)。そうなると自分で道を模索して自分の力で上がって来る以外にない。でも、それが自分でできないからいつまでも現状のままでしかないのに。力のある指導者であっても、その指導方針や表現を不本意な形に変えなければならない。親の批判や世情に忖度せざるを得ないのが現代だ。ある一定レベルより下の子は、上へと上がる機会を奪われている」という内容の発言をしています。
全くその通りです。自分で殻を破れないから現状のままだというのに。これも親になり切れていない親が、わが子の自立を阻止しているせいですね、完全に。
「私は親に叱られたこともないのに先生に叱られた」とか文句を言う親もいるぐらいですから(大人になってから親身に注意してくれる人って、ありがたいと思いますよ)。
拙文を読んでくださった方には、私がしごきを推奨しているわけではない、ということだけは、理解する知性を保ってほしいと願います。これも蛇足でしたね。つづく